
(ダイコン、大豊作)
このところニュース等でも報道されている通り、過去最大級のエルニーニョ現象により季節外れの温暖な日が続いています。おかげで畑の野菜はどんどん成長し、収穫時期は軒並み前倒し。日本全国ほとんどの地域でこの傾向となっているようで、農家の方々はみな豊作貧乏状態になっているようです。ほんのちょっと前まで「野菜が空前の高値となっている」なんて報道されていたのが信じられないですね。大規模農家の中には、ダイコンなどを廃棄処分して出荷調整しているところもあるようです。
うちも他の農家の方々と同様、珍しくほとんどの作物がとてもよくできており、大量に収穫して袋詰めし、タダの隣りのような安値で出荷しています。うちは栽培技術が未熟なので今まであまり「豊作貧乏」状態を体験したことがありませんでしたが(うちはいつも「不作貧乏」)、うちでさえ豊作となるのですから技術が伴った農家の方々の「豊作貧乏」度合はとてつもないものでしょうね。
さて、昨今偉い方々は農業を成長分野に、とか、輸出ができるような大規模化を、とかいろいろとおっしゃっています。いろいろとおっしゃっている方々はきっと農業をしたことがない方々だと思います。数少ない成功事例を大々的に報道して、「さあ、若いやる気のある君、魅力ある農業で存分に力を発揮して稼いでみないか!」といった類の話をよく耳にしますが、あれは真に受けていいものなのでしょうかね。
個人的には、農業に魅力があることは否定しませんが、稼ごうと思っているのなら農業はやらないほうがいいと思います。今の世の中、農業よりもリスクが低くて効率よく稼げる仕事はたくさんありますからね。逆に言うと、農業で稼げるような方はどんな仕事をしても稼げる方ですので、他で行き詰ったから農業で、という考えの方はまず間違いなく稼げないと思います。
私自身、ある小さな事務所を経営しており、収入のメインは農業ではなくそちらの仕事のほうです。やがては農業だけでやっていきたいとは考えていますが、なかなか難しいものですね。管理できないほどの自分の農地があり、倉庫も農機具も作業場もすべて揃っていてもこの状態ですから、若者が見ず知らずの地域で農地を借りて農業を始めるなんて、ほとんど自殺行為のような気がします。農業に興味を持つ若者が増えることは大歓迎ですが、「農業でバリバリ稼ぐ!」なんてことは考えないほうがいいような気がします。
農家の平均年齢がどんどん上昇しているなか、後継者不足を心配して若者を農業へ振り向かせようと一生懸命なのはわかりますが、そのような状態になったのはそれなりの理由があってのことだと思います。偉い学者先生が農業の可能性について数少ない成功事例をもとにもっともらしく解説されている番組をよく拝見しますが、そのような学者先生はまずご自分では農業をされません。また、農業に携わっていて、現在何とか食べていくことができているような方は、自身のノウハウを他人には言いません。農業って本当に難しいんですよね。
農業の魅力とは、実際に農業をしてみて初めて感じるものであり、その内容は人それぞれに異なると思います。場合によっては何も魅力を感じないまま、苦痛を味わうだけで挫折するケースも多々あると思います。いや、苦痛を味わうだけならまだましで、いわゆる「専門家」のおっしゃることを真に受けてハウス等の投資をしてしまい、魅力を感じることなく借金を抱えてしまうことすらあります。農業を成長産業にするなんてことをまるで合言葉のように偉い皆さんはおっしゃっていますが、おそらくとてつもなく困難な道だと思います。
私は農業が好きで、魅力も感じています。バリバリ稼げるとは思っていませんし、また稼ごうとも思っていません。しかし体が動く限りどんな高齢になっても続けようと思っています。もしこれから就農をお考えの方がおられるなら、くれぐれも昨今の偉い方々の言うことは真に受けず、冷静にご自分の状況を分析したうえで、ご自分なりの取り組み方をしてくださいね。取り組み方を間違えなければきっと素晴らしい農業の魅力を感じることができると思います。

旧車サイトのリンク集です。珍しい旧車が見つかるかも?
全く同じ道のりですよね・・・「好きにならなきゃやってられない」と。
お国の偉いサンも追随する学者さんも、自分と身内のことしか頭にない。
政治家皆さんって、ヨメサンの出自が大企業の御令嬢ですから・・・。
どんな政党に変わっても結局皆、代々カミサンの実家の大手取引先である
アメリカの言いなりになり、己の都合の良いほうにしか動きません。
実はこちらでは禁煙運動とタバコの値上げの煽りを受けて自ら命を絶った
農家の話を両手に余るほど聞いた故、今のエコ流行もゲンパツ再稼動も
全く以って支持する気になれずに暮らしている次第であります(嘆)。