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1994年にトヨタから発売された5代目カムリ(V40型)です。北米でベストセラーになっている現在の大きなカムリと同じ車名を名乗っているのが信じられないぐらいコンパクトで控えめなセダンですね。この代は国内専用カムリとしての最終型で、このカムリが販売されていた期間に途中から世界標準のカムリがカムリ・グラシアとして併売されることとなりましたから、歴代カムリの中でもちょっと影が薄い存在でしたね。
さて、この5代目カムリ、当時うちにありました。亡くなった父が最後に乗っていたのがこのカムリでした。病気を患い、大きな手術をした後に、それまで乗っていたクラウンから何を思ったのか、このコンパクトなカムリに乗り換えました。世間体と見栄を重要視する戦前生まれの典型的な『田舎の』重鎮だった父はずっとセドリックやクラウンを乗り換えていましたが、長い入院生活でいろいろと考え方が変わったように感じられました。
数年後、病気が再発して今度は手術をしてもダメでしたので、このカムリに乗っていた期間はそれほど長くありませんでしたが、亡くなる数ヶ月前にこれに乗って家族で北陸のほうへ旅行へ行き、千里浜なぎさドライブウェイを走ったことはとても懐かしい思い出です。旅行へ行った時にはまだ美味しく物を食べることができ、お酒も飲むことができる状態でしたので、氷見の美味しい魚をたらふく堪能してもらうことができました。思い立ったときにすぐ行動しておかないと、次の機会はないかもしれないということを、この旅行を思い出すたびに実感します。
ちょっと話がずれてしまいました。このカムリ、うちにあったのは1.8Lのグレードでしたが、とても車両感覚が掴みやすくて運転しやすいクルマでした。まるで教科書に載っているかのような典型的なセダンスタイル、パワーは必要十分で乗り心地は当時のトヨタ車そのもの、車格の割には大きな室内空間とトランクルーム、非の打ち所もない一方、取り立てて強調する点もないクルマでしたね。クルマに存在感がない分、そのクルマに乗って行ったところやドライブ中に話したことなどの記憶が鮮明に残っていますから、それこそがこのクルマのいちばんの魅力かもしれませんね。
国産車の黎明期からとっかえひっかえクルマを乗り換えてきた父が最後に選んだのはごくごく普通のオーソドックスなクルマ。今でこそダウンサイジングという言葉はあまり抵抗のないものになっていますが、当時は、特に田舎では少なからず抵抗があったに違いありません。以前別の記事で書いたことがあるかもしれませんが、うちで法事をやると見栄っ張りの親戚連中が乗り付けてくる高級車がずらりと並びます。そしてご先祖様の供養そっちのけで自慢大会。父は最後に自分の行動で、ああいう馬鹿者どもは相手にするな、と教えてくれたような気がします。
カムリ・ルミエール(SV40型)
全長×全幅×全高 : 4625×1410×1695mm
ホイールベース : 2650mm
車両重量 : 1170kg
エンジン : 直4DOHC 1838cc 125PS
☆『
旧車カタログコレクション(web版)』にて大きな画像及び未掲載の画像を掲載しています。☆

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先日、私の叔父が亡くなりましたが、その叔父はスカイラインをこよなく愛しており、歴代モデルを全て乗り継いでいました。子供の頃両親の帰省のたびに、ハコスカ、ケンメリ、ジャパンとクルマが変わっていて、よくドライブに連れて行ってもらったのを子供心に覚えています。最後に会ったのは20年位前、R33に乗っていた時で、当時は私自身もR33オーナーだったので、酒を酌み交わしながらいろいろと語り合ったものでした・・・
最後はどのモデルに乗っていたのかは分かりませんが、やはりそうやってスカイラインに対するこだわりを最後まで叔父は貫いていたのでは・・・と、今あらためて思います。