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1994年にトヨタから発売されたカレン(ST206/207型)です。前年に発売された6代目セリカの姉妹車、というより、北米向けセリカクーペの日本版、というクルマでした。6代目セリカにはカリーナEDとコロナ・エクシヴという姉妹車もありましたが、それら姉妹車群の中でも一際存在感が薄く、「トヨタ・カレン」と聞いてもピンと来ない方がずいぶん多いかもしれませんね。
さて、このカレン、つい先日近所のスーパーの駐車場で見かけました。オーナーさんがずいぶん大切に扱っているようで、現行車かと思うほど外観はピカピカ、ボディの色褪せもまったく感じられず、タイヤもコーティングしているのか、黒光りしているような状態でした。初めはそのクルマがカレンだとはわからず、今のトヨタにこんなカッコいいクルマってあったかな~と思ってしまったほどでした。
まだ比較的新しいクルマだとはいえ、98年に生産終了となっているということは、もっとも新しくても既に16年落ちです。ピカピカのカレンを見て、そのオーナーさんのカレンへの愛情を感じるとともに、なぜこんな状態のクルマが様々な制度によって買い替えを促されなくてはならないのかと、常々思っている怒りにも似た感情がふつふつと沸き立ってきました。
それにしても、販売されていた当時で既にマイナー車のレッテルが貼られていたクルマが、時代を超えてピカピカの状態で目の前に現れると、なんだか不思議なオーラを発しているように感じられますね。当時ベストセラーだったクルマでもこれだけの年数が経つとピカピカの状態で見られるのはかなり稀なことです。先日見かけたカレンのオーナーさん、きっと「珍しいクルマに乗っている」ということに快感を感じるタイプの方かもしれませんね。あれほどの状態のカレンが最近のクルマの中に混じって存在していると、カレンの存在を知っている方でも「トヨタ・カレン」だと認識できず、不人気車だったという過去などどこかへ消え去って、「カッコいいクーペ」にしか見えません。人間の感覚っていい加減なものですね。
今回のカレンの件でつくづく実感しましたが、ちょっと我々の身の回り、時間の流れが速すぎるような気がします。経済の流れを促すには物のライフサイクルをさらに短くし、金の流れを速めなくてはなりません。物のライフサイクルの短縮化に限界があるのであれば、今度は物を回転させずに金を回転させなくてはなりません。ということで現在では携帯やパソコンのゲームの中で課金がされたり、さらにはカジノ云々なんて言っていますね。その昔、任天堂のゲームウォッチで巨大タコの足を避けながら海底の宝を取ってくるというものがありましたが、海底での動きを速めるウェットスーツを200円で販売、なんて発想は当時ありませんでした。なんだか現代のビジネスって派手で最先端なように見えますが、実際はあってもなくてもまったく困らないものが大半を占めているような気がしますね。時を経ても変わらぬ輝きを放っていたカレンを見て、ちょっといろいろと考え事をしてしまいました。ちなみにカレンという車名は「current」、つまり「現代の」という意味から付けられているそうです。先日見たカレンはまさしく由来どおりの「カレン」でした。
カレン・ZS(ST206型)
全長×全幅×全高 : 4490×1750×1310mm
ホイールベース : 2535mm
車両重量 : 1170kg
エンジン : 直4DOHC 1998cc 180PS
☆『
旧車カタログコレクション(web版)』にて大きな画像及び未掲載の画像を掲載しています。☆

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