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1983年にトヨタから発売されたコロナ5ドア(T150型)です。このカタログは5ドアの有用性をアピールするために、様々な立場のユーザーが語る“5ドアの魅力”の声をまとめた“ユーザーリポート”なるものです。
この代のコロナはFRからFFへの移行期で、まず初めにFF化されたコロナ5ドアが発売され、しばらくしてからFF版の4ドアセダンが発売されました。FFコロナとFRコロナが混在しているというちょっと変わった時期でしたね。
さて、カタログの中では“ひとまわり大きなFFだから、好き。”、“レジャーがリッチになるから好き。”、“とてもスタイリッシュだから、好き。”、“遊びにも仕事にも使えるから、好き。”と、会社員、OL、自営業者など様々な職業の方々がFF5ドアの魅力を語っておられます。
私が現在乗っているクルマも5ドアハッチですから、内容にはとても共感できる部分が多く、5ドアの魅力をアピールするには大変すばらしい販促資料としてまとまっていると思います。
しかしながらコロナ5ドア、いまいち印象が薄かったですね。古くはアローラインコロナの時代から、トヨタはなんとかしてミドルクラス・5ドアのクルマを定着させようとしてきましたが、どれもパッとしませんでした。歴代のコロナを見ても、5ドアはラインナップにあったりなかったり、トヨタの試行錯誤ぶりが察せられますね。
コロナに限らず、この時期にはビスタやスカイライン等にも5ドアが設定されていましたが、どれも印象の薄いものばかりで、どうも日本では5ドアハッチバックのクルマは受け入れられないような雰囲気がありました。
それから四半世紀が過ぎ、まさか5ドアハッチのクルマが街に溢れるような時代が来るとは私だけでなく、メーカー自身も想像すらしていなかったことと思います。いうまでもなく現在のプリウスのことですね。そして対抗馬のホンダ・インサイト。ハイブリット車という視点で見られることが多い両者ですが、どちらも立派な5ドアハッチバックのクルマです。トヨタをはじめとする自動車メーカーがどれだけメリットをPRしてもなかなか日の目を見なかった5ドアですが、使い勝手ではなく、低燃費走行に貢献する優れた空力ボディーということでブレイクすることになりました。
現在のプリウスとインサイト、どちらも5ドアハッチバックですが、使い勝手云々よりも、“エコカーの象徴的スタイル”として行き着いたのが現在の形状のようですね。
先日、ホンダのフィット・ハイブリットが発売されました。これまた街に溢れているハイト・コンパクトのクルマですが、非ハイブリットのフィットとまったく同じスタイルでハイブリットが出されました。対抗馬としてトヨタも近いうちにヴィッツのHVを出すようなので、プリウス対インサイトという対立関係の舞台が売れ筋のコンパクト市場に移りそうですね。
プリウスが爆発的に売れているのは5ドアハッチの魅力のためではなく“ハイブリットカー”としての魅力のためですので、もともと国内で大きな支持を得ているコンパクトカー市場でハイブリットが出れば、なにもプリウスを選ぶ必要はありません。他に選択肢がなかったから5ドアハッチのプリウスとインサイトが売れたというだけで、選択肢が豊富になれば、やっぱり日本で5ドアは受け入れられないでしょうね。(フィットもヴィッツも5ドアといえば5ドアですが、私のいう5ドアはコロナ5ドアのような形の5ドアのことです。)
コロナFF5ドア・1800EXサルーン(ST150型)
全長×全幅×全高 : 4330×1670×1365mm
ホイールベース : 2515mm
車両重量 : 1025kg
エンジン : 直4OHC 1832cc 115PS

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