
(画像クリックで拡大)

(画像クリックで拡大)

(画像クリックで拡大)

(画像クリックで拡大)

(画像クリックで拡大)
トヨタが1970年代に販売していたクルマに添付されていた『トヨタ スポーティーカー ドライビング テクニック 取扱書』です。これは昔5代目コロナ(RT102型)を購入したときに付いていたもので、全ての車種に付いていたのかどうかはちょっと分かりません。当時、知り合いでセリカを購入された方がおり、そのセリカにも付いていましたので、おそらく大半の乗用車に付いていたと思われます。
全部で50ページほどの小冊子なのですが、これが読んでいるととても面白いんです。
・・・さわらぬ神にたたりなし
・・・次のような車は運転がへたか、常識はずれの運転をする危険な車と見て、できるだけ近寄らないようにすべきです。
・・・車内に必要以上の飾り(花や人形)のある車。そのほとんどが車をよく知らない、へたなドライバーです。
・・・ハンドルにしがみついて運転している車。老人や女性に多いのですが、モタモタしているわりに信号無視等を平気でやります。
(以上、3枚目画像ページから抜粋)
こんな感じで安全運転の心得を説明したうえで、スポーティードライビングの解説が始まります。
ドリフトの方法を図解入りで説明したかと思えば、『この方法は1歩違えればスピンの状態ですから一般公道では絶対に使ってはいけません。』と注意書きしているところなど、思わず“そんなら書かなきゃいいでしょっ!”って突っ込みたくなってきますね。
さて、本題、最後の画像のページで、“ヒールアンドトウ”の方法がとても詳しく解説されています。エンジン回転数とシフト位置と両足の動かし方が段階ごとに図示されていてとても分かりやすい解説ですね。『直進状態、160km/hのスピードでコロナマーク2・2000GSSがカーブに近づくとする』といういかにも交通法規を完全に無視した前提条件がしびれます。
私は“ヒールアンドトウ”ができませんので、この解説を読んでもあまりピンときませんが、ステップ6で説明されているように、“安全に走行するためにも大いに有効”だそうですから、興味のある方は“ふだんから練習して身に付けて”おいたほうが良いのかもしれませんね。
こんな取扱書がクルマの取説と一緒に添付されていた時代があったなんて、今の感覚からすると想像もできませんね。きっとこの取扱書を読んで、時速160キロでカーブに近づき“ヒールアンドトウ”を試みた方や、一般公道でドリフトを試み、一歩違えてスピンした方も多かったことと思います。まあ古き良き時代ってところですかね。
ところでこの取扱書、2枚目画像ページの“はじめに”の文面の中に、“味”という言葉が出てきます。豊田章男氏が社長になられてからよく聞くようになった言葉ですが、章男社長のクルマの師匠である成瀬弘氏が強調されていた言葉ですね。
残念なことに成瀬氏は先日ニュルでレクサスLFAのテスト走行中に事故で帰らぬ人となってしまいました。謹んでご冥福をお祈りするとともに、ぜひ成瀬氏が強調されておられた“味”のあるスポーティーカーをどんどん開発してほしいと願っています。
“スポーツカー冬の時代”の現代ですが、きっと成瀬氏は若者が憧れるような“味”のあるスポーツカーをトヨタから出すことを最も願っておられた方だと思いますから・・・。

旧車サイトのリンク集です。珍しい旧車が見つかるかも?