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1996年にトヨタから発売されたスターレット・グランツァ(EP91型)です。パブリカ・スターレットとして1973年に登場して以来、この5代目まで続いてきましたが、この代が最後のスターレットとなり、ヴィッツにその役目を譲ることになりました。1999年まで生産されていましたので、まだちょくちょく現役のスターレットも街で見かけますね。
このグランツァはスターレットの中でもスポーティモデルとしての位置付けで、ターボのグランツァV、NAのグランツァSがラインナップされていました。「かっ飛びスターレット」と呼ばれていたモデルもあったように、スターレットは代々小型で安価なスポーティ車として走り好きの人間から好まれていましたから、スターレットで車人生をスタートされたクルマ好きも多いことと思います。
さてこのスターレット・グランツァ、欠点もいろいろとありましたが、純粋に運転していて楽しいクルマでした。ターボのグランツァVに限らず、NAのグランツァSも十分に楽しいクルマでした。ほんの10年ほど前まではこんな感じの小型・安価で運転の楽しいクルマが各社からたくさん発売されていたのに、最近では「走りが楽しいクルマ」というのがなんだか特別な存在になってしまったようですね。
というより、メーカー各社が「走りの楽しさ」というものを特別なものに仕立て上げてしまっているのかもしれません。私の感覚では、現在でもデミオやスイフト(デミオ・スポルトやスイフト・スポーツではなく、普通の1.3リッターグレード)も十分に走りが楽しいクルマです。おそらくフィットやヴィッツにもRSグレードでなくともそんなモデルは存在していると思います。
にもかかわらず、高価なスポーツカーや大きなエンジンを積んだ高級セダンでないと本当の「走りの楽しさ」は味わえないような風潮になっています。挙句の果てにはかつての名車のイメージまで総動員して「走りの楽しさ」作り。言うまでもなく先日試乗したホンダ・CR-Zや今後発売されるであろうトヨタのFT-86のことです。
将来を見据えてハイブリット技術やEV技術を研究開発し、それを量産に結びつけることは素晴らしいことだと思います。そして新たな「走りの楽しさ」を提案していくことも素晴らしいことだと思います。しかしながら新しい技術や価値観を前面に押し出すあまり、既に存在している素晴らしいものを必要以上に見えなくしてしまっているようにも思われます。
「クルマ本来の走る楽しさをもう一度」みたいなことを各メーカーの首脳は決まって新車発表会の時に語っておられますが、高性能スポーツカーや高級FRセダンでないと走る楽しさが味わえないと思い込まされている人間にとっては、そもそも「メーカーのいう走る楽しさ」を一度も味わったことがありませんので「もう一度」味わうことはできません。そんなに肩肘張って走りの楽しさを定義付けずとも、ある人は軽トラで、ある人はミニバンで、またある人はコンパクトカーで、みんなそれぞれに走りを楽しんでいると思うんですけどね。
メーカーが「走る楽しさ」を強調すればするほど、軽トラやミニバンやコンパクトカーで「走る楽しさ」を感じている方は「自分はクルマ本来の走る楽しさがわかっていないんだ」と感じるようになり、クルマなんて動けばいいんだ!と思うようになっていきます。こうしてクルマへの興味を失っていく人間がひとり出来上がり!って考えてしまうのは考えすぎですかね。
スターレット・グランツァV(EP91型)
全長×全幅×全高 : 3790×1625×1400mm
ホイールベース : 2300mm
車両重量 : 950kg
エンジン : 直4DOHCターボ 1331cc 135PS

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